親権者

Q 私も相手も親権を譲る気がないのですが、親権者は何によって決められるのでしょうか?

親権者とは

親権者になるということは、通常、子供を監護・教育し、子供の財産を管理する側(要するに、子供を育てる側)になることです。
すなわち、親権には、通常、子供を監護・教育する身上監護権と、子供の財産管理権の2つの要素があるとされています。
婚姻中は、夫婦が共同で親権者となります。これに対し、離婚すると、夫婦の一方が親権者となります。
(ただし、後述するとおり親権と監護権の分離も可能とされています。)
離婚における親権争いは、多くは「自分がこの子を育てたい」という争いです。


離婚では親権者を定める必要があります

未成年の子供がいる場合、離婚が成立するためには夫婦の一方を親権者として指定することが必要になります。
離婚届は、どちらが親権者になるのか記載しないと受理されないというのが法律の定めです(民法765条1項、819条1項)。
親権者が定まらないと、協議離婚も調停離婚も成立しません(裁判離婚では判決で親権者を定めます)。


親権者を定める要素

離婚する夫婦のどちらを親権者にするかは、その夫婦の合意で決めることができます。
その合意ができない場合、調停や裁判で親権者を決めるための要素としては、
 
 *継続性(現実に子供を養育監護していること)
 *監護体制(家庭環境、居住環境、経済状態など)
 *兄弟姉妹の不分離(離ればなれにするのは好ましくない)
 *子供の意思
 *母親優先(子供の年齢が低いほど重視されやすい)
 
などがあります。
 
これらを、協議離婚を検討する段階から、調停や裁判になった場合を考える指標にします。


親権と監護権の分離

上で述べたとおり、親権には身上監護権と財産管理権の2つの要素があるとされ、親権争いの多くは「自分がこの子を育てたい」という争いです。
そこでは、互いに自分が子供を監護・教育し財産管理権も有する側になりたいとして争うのが通常であり、このうち財産管理権には、子供の財産上の法律行為に関する代理権・同意権も含まれます。
(ここまでは親権の内容を身上監護権・財産管理権の順で記載しましたが、以下は事柄の性質上、財産管理権・身上監護権の順で記載することもありますのでご注意ください。)
 
そして、離婚での親権争いにおいて、父母の一方を親権者、他方を監護権者とする、親権と監護権の分離という妥協的解決方法が浮上することがあります。
親権者が子供の財産管理権(子供の財産上の法律行為に関する代理権・同意権を含む)を持つけれど、実際に子供を監護・教育するのは監護権者の方とするものです。財産管理権と身上監護権の分離・分属であり、これは法的には可能です。
 
しかし、この親権と監護権の分離は、通常、離婚後の子供の監護・養育について父母が協力できる関係があることが前提とされており、なかなか難しく慎重に考えざるをえない面があります。


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