親権
センター南 横浜都筑法律事務所

親権

親権

離婚で親権争いになったとき


離婚では、未成年の子がいる場合、親権争いになることがよくあります。

その場合、父母の双方または一方を親権者と定めることとされています(民法819条1項)。

父母いずれも自己のみが親権者になると主張して親権争いになったときの、親権者の決め方についてご案内します。

なお、令和8年4月施行の改正民法により、離婚後の共同親権を選択できるようになりました。


関連ページ 親権者指定の手続

      共同親権


親権者を決める考慮要素


離婚に際して親権者を決めるうえで、従来いわれてきた考慮要素として、以下のようなものがあります。

監護の継続性

    • 監護者と監護環境の継続性。監護者は同じでも居所が変わると環境が変わることになります。

監護状況

    • 従来の監護・教育の実績、経済状態、生活環境などの事情を考慮。監護の継続性に含めて考えることもできます。

母性的役割の尊重

    • 乳幼児について、母性的に接してきた側が監護者としてふさわしいという考え方。母親のことが多いですが、父親もありえます。

子の意思の尊重

    • 15歳以上なら意向を聞くのは必須。15歳未満でも子の意向を尊重すべきとする考え方。

面会交流への許容性

    • 子と別居親との良好な関係を保てるようにすることを重視する考え方。

兄弟姉妹の不分離

    • きょうだいが離ればなれにするのは好ましくないとする考え方。

自分が育てたい思いや相手への反発


以上それぞれの考え方は、なるほど理屈としてはうなづけるところがあると思います。

しかし、夫婦間で親権争いになるとき、上記のいずれかが念頭にあることもありますが、根本的には「自分が育てたい」「一緒に暮らしたい」という思いからによることが多く、あるいは相手への反発によること等もあります。


親権者指定の手続


親権者を決めるうえで、裁判所による判断の要素は民法に規定されており、それらを含む親権者指定の手続を以下のページでご説明します。
 親権者指定の手続     


親権の内容


親権は、未成年の子に対する身上監護権と財産管理権を内容とするものといわれます。

さらに具体的には、以下のページでご説明します。
 親権者の監護権・財産管理権


共同親権


共同親権とは、父母双方とも子の親権をもつことで、これに対し父母の一方が親権をもつことを単独親権といいます。

離婚後に共同親権を可能とする選択的共同親権制度(令和841日施行)について、以下のページでご説明します。
 共同親権         


親権の終期


親権に服するのは未成年者であり(民法818条1項)、成人年齢は18歳ですので(民法4条)、子が18歳になれば親権は終了します。


関連する主な法令規定

  • 民法4条(成年)
    • 年齢18歳をもって、成年とする。
  • 民法818条(親権)抜粋
  • 1項 親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない。
  • 2項 父母の婚姻中はその双方を親権者とする。
  • 民法819条(離婚又は認知の場合の親権者)
  • 1項 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める。
  • 2項 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の双方又は一方を親権者と定める。
  • 3項 子の出生前に父母が離婚(以下省略)
  • 4項 父が認知した子に対する(以下省略)
  • 5項 第1項、第3項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
  • 6項 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子又はその親族の請求によって、親権者を変更することができる。
  • 7項 裁判所は、第2項又は前二項の裁判において、父母の双方を親権者と定めるかその一方を親権者と定めるかを判断するに当たっては、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならない。この場合において、次の各号のいずれかに該当するときその他の父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるときは、父母の一方を親権者と定めなければならない。
    • 一 父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき。
    • 二 父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動(次項において「暴力等」という。)を受けるおそれの有無、第1項、第3項又は第4項の協議が調わない理由その他の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき。
  • 8項 第6項の場合において、家庭裁判所は、父母の協議により定められた親権者を変更することが子の利益のため必要であるか否かを判断するに当たっては、当該協議の経過、その後の事情の変更その他の事情を考慮するものとする。この場合において、当該協議の経過を考慮するに当たっては、父母の一方から他の一方への暴力等の有無、家事事件手続法による調停の有無又は裁判外紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成16年法律第151号)第1条に規定する裁判外紛争解決手続をいう。)の利用の有無、協議の結果についての公正証書の作成の有無その他の事情をも勘案するものとする。

〔離婚と子ども〕ページ案内

このページの筆者弁護士滝井聡
このページの著者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)