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モラハラ離婚

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モラハラとは


モラハラとは、道徳(モラル)に反するような精神的な攻撃や嫌がらせ(ハラスメント)によって、人に耐え難い苦痛を与えることです。

夫婦間での夫や妻からのモラハラ行為は、ドメスティックバイオレンス(DV)の一種とされ、婚姻を継続し難いほど重大であれば、離婚や慰謝料の理由になります。

そうしたモラハラをめぐる離婚紛争のご相談やご依頼が、近年、増えています。


モラハラ行為の例


モラハラに当たり得る行為は多岐にわたりますが、例えば以下のような言動があり、これらを繰り返して配偶者に耐え難い苦痛を与える場合が挙げられます。 

暴言 「死ね」「役立たず」「俺と同じだけ稼げるのか」「クズ」など。
支配 束縛、強い口調の命令・詰問、行動の制限、行動の監視など。
威嚇 怒鳴る、物を壊す、大きな音を立てる、態度で怖がらせるなど。
恥辱 知人や子どもの前で悪口を言って恥ずかしい思いをさせるなど。
叱責 考え方が違っていると一方的に間違っていると言って怒るなど。
翻弄 時により極端に異なる考えを強く言い張って困惑させるなど。
変節 以前と異なる指示を前から言ってたじゃないかと怒るなど。
因縁 「騙された」「ひどい仕打ちだ」など、言いがかりをつける。
無視 話しかけても応じず存在自体を否定してくるような態度。

なお、これらは明確に区分されたものではなく、重なる部分があり、言動の中に混在することもよくあります。

耐え難い苦痛を指標に


モラハラは、性格の不一致や価値観の相違を内包していることが一般的で、性格の不一致や価値観の相違にとどまる場合との間に明確な線引きがあるわけではありません。

そこで、配偶者の言動によって、誰がみても耐え難いといえる苦痛を受けているかどうかが指標の一つになると考えられます。

モラハラ行為が繰り返される状況


モラハラに当たり得る行為を常に配偶者からされれば、早々と離婚を考えることになると思われます。

ところが、配偶者から、ときには温和で優しくされ、ときにはモラハラに当たり得る行為を受けるということがよくあり、そうされた側としては、相手が温和で優しいときには安堵し、そこへモラハラに当たり得る行為をされても自分が悪いと思ってしまったり、また温和で優しくされるときを待ったりしがちです。

こうして、まだ夫婦関係を続けることができると思っているうちに、配偶者からのモラハラ行為が繰り返されていくという状況を多く見受けます。

モラハラの証拠


離婚を請求するうえでの理由としてモラハラや精神的虐待を主張する例は多いですが、「モラハラ離婚」というためには、手続として、裁判官による認定を要します。

離婚協議や調停で相手が離婚に応じて、モラハラについて裁判官の認定を得ずに決着する案件は多々あり、それを一方当事者の見方だけで「モラハラ離婚」というわけにはいかないのです。

その裁判官の認定を得るためには証拠が必要であり、その証拠として、録画・録音、メール、日記などの詳細な記録、第三者の証言などが考えられます。

モラハラに関する法律の規定


DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)の第11項は、以下のように、モラハラを「配偶者からの暴力」の一類型として規定しています。

この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項及び第28条の2において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。

ここでは、モラハラは、配偶者からの「身体に対する暴力に準ずる、心身に有害な影響を及ぼす言動」と定義されていることになり、要するに、身体的暴力に準ずる程度に耐え難い苦痛を与える言動をいうものと考えられます。


常識的感覚で


モラル(moral)は、「道徳」と和訳されていますが、言動が道徳に反するかどうかの線引きは人によって変わることがあります。

そこで、人の言動を非難できるかどうかについては、まずは常識的な感覚で考えることになります。

例えば、暴力や暴言を繰り返す者が、配偶者や子どものいる家庭内で孤立し、家族から避けられるようになったことをもって「嫌がらせを受けた」と主張しても、常識的な感覚としては首をかしげたくなると思います。


このページの筆者弁護士滝井聡
このページの筆者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)