養育費と学校教育費

学校教育費と養育費の関係

離婚による養育費について、標準的な算定方式や算定表では、14歳以下の子について公立中学校の学校教育費が考慮され、15歳以上の子について公立高校の学校教育費が考慮されています。

このため、養育費は、高校までについて、公立学校に通う子どもの学校教育費を含むとされるのが通常です。

これに対し、子どもが私立学校に通っている場合、標準的な養育費に含まれる額を超過する学校教育費を、養育費でどう分担するかが問題となります。


養育費で考慮される学校教育費

養育費で考慮されている教育費は、統計から導き出された平均的な公立学校の学校教育費であり、1年あたり以下の金額となっています。

14歳以下:公立中学校平均131379
15歳以上:公立高校平均259342

このうち14歳以下は0歳~14歳であり、中学校進学前の子と中学校に通う子の区分はされていません。
それは、学習教育費等の費用の違いから直ちに区分するほどの生活実態の差があるとは言いがたく、養育費については簡易迅速性・予測可能性が求められ煩雑になるのを避ける等の配慮からとされています。

学校教育費と生活費指数

「養育費の計算」ページで生活費指数を用いた養育費の計算をご紹介しましたが、この生活費指数も子どもの公立学校教育費を含む設定がされています。
その内訳も含めた、親(権利者、義務者)と子の生活費指数は以下のとおりになります。

権利者=100
義務者=100
14歳以下の子=62
 うち公立中学校教育費11(その他が51
15歳以上の子=85
 うち公立高校教育費25(その他が60

これら学校教育費の指数は、上記の公立中学・高校の平均的学校教育費と、統計から導き出された平均年収(国公立中学校に通う子のいる世帯7329628円、国公立高校に通う子のいる世帯7617556円)を用いて算出されています。

そして、次に述べる私立学校の学校教育費の分担について、子の生活費指数の内訳を用いて計算する考え方があります。


私立学校の学校教育費

私立学校に通う子どもの学校教育費は、上記の公立学校の学校教育費を超過するのが通常です。

その場合は、標準的な算定方式や算定表による養育費の額では不足するため、親(権利者、義務者)がどのように分担するかが問題となります。

その計算方法について考え方は様々で、たとえば、以下のようなものがあります。

  • 公立学校の平均的学校教育費(14歳以下13万1379円、15歳以上25万9342円)を超過する額を基礎収入比で按分。
  • 子の生活費のうち公立学校の指数分(14歳以下11/62、15歳以上25/85)を超過する額を基礎収入比で按分。
  • まず学校教育費を基礎収入比で按分し、残りの基礎収入から学校教育費を除いた生活費指数(14歳以下51、15歳以上60)を用いて学校教育費以外の養育費を算出。

養育費に関する相談事例

  • 相手の言っている養育費の額は妥当なのでしょうか。
  • ちゃんと生活していけるだけの養育費をもらうためには、どうすればいいでしょうか。
  • 養育費は子どもが20才になれば終わるのでしょうか。
  • 養育費として学校の費用を支払ってもらえるのでしょうか。
  • 養育費として私立学校の費用を支払ってもらえるのでしょうか。
  • 仕事が変わって給料が減った場合、養育費を減額することはできますか。
  • 再婚した場合、養育費の支払いはどうなりますか。
  • 子どもは障害があり介護を必要とするのですが、成人すると養育費はなくなるのでしょうか。
  • 養育費の支払が滞っているのですがどうすればいいでしょうか。

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